2011年ニコニコ動画個人的な十選

今年はブログ記事を書けなかったのですが、やっぱりニコニコ動画のファンとしてこれはやらなくては…ということで、2011年のおすすめ動画を十個紹介したいと思います。

もしよければ、2009年2010年の記事も併せてどうぞ。

【第6回MMD杯本選】Nostalogic (single edit) 【日高 舞】

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まずは、今年早々に行われた第6回MMD杯から、こちらの動画を。「ミクのPVを作るための」ツールとして生まれた3DモデリングツールMikuMikuDanceも、今年で4年目を迎えました。今年は本体プログラムの更新が止まり、心配な部分もあったのですが、配布されるモデルやモーションはますます充実していますし、シェーダを自由に差し替えることができるMikuMikuEffectを使ったノウハウが広まり、制作環境はますます充実しています。

その中で開催された第6回、第7回のMMD杯はいずれも多くの参加者を集め、盛況でした。素晴らしい動画がたくさんあったのですが、個人的に印象が強かったのはこの動画です。ちょっと出自が複雑な動画なので説明しますと、まずVOCALOIDMEIKOによるオリジナルの楽曲があり、それを受けてプロの舞踏家であるYumikoさんが踊ってみたをアップし、そのモーションをのりさんが半年の歳月をかけて驚異的なモーショントレースを行い、そのモーションと狡猾全裸富竹P作の日高舞モデルを使用して、さぼてんPさんが動画を作成した…と、一体何次創作になるのかわからない、ニコニコ動画らしい作品だと思います。

日高舞というのはアイドルマスターのキャラクターで、プレイヤーキャラのお母さんであり、元伝説のアイドル…という設定です。この動画は、MikuMikuDanceの作品としては珍しく、大人の女性の妖艶な魅力を表現していると思います。こういう表現ってあまり見たことがないです。

「この動画を見て、ロリコンが直りました」というコメントがあって吹いてしまったのですが、本当にそのくらいの威力がある動画だと思います。

『ハッピーシンセサイザ』をトークボックス演奏で歌ってみた

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ハッピーシンセサイザは去年アップロードされたGUMIによるVOCALOID曲ですが、二次創作の幅広さという意味では、千本桜等と並んで、今年ニコニコで流行った曲の一つだったのではないかと思います。

この動画は、この曲をTalkBoxという技術で演奏した作品です。TalkBoxというのは、シンセサイザーの音をチューブを通して口に送り込み、口で発音しているような効果を加える…という、言わば人力エフェクタと言うべき技術です。

動画編集もおしゃれですし、TalkBoxによる演奏が元の曲にとてもマッチしていて、見ていてとても楽しい動画になっていると思います。

おっさんがハッピーシンセサイザを踊ってみた

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ハッピーシンセサイザ関連でもう一つ。今年ハッピーシンセサイザが流行った理由の一つは、めろちんさんによる素晴らしい振り付けだと思います。これがまた本当に楽しくて可愛らしい振り付けで、男性であるめろちんさんが踊っている動画なのに、うっかりときめいてしまうくらいです。この振り付けによって、「踊ってみた」動画が爆発的に広まりました。

この動画はその中の一つ。おじさんが一生懸命踊る姿に、「癒される」というコメントが多数ありました。踊りもキレがある上にオリジナルとはちょっと違うコミカルさがあって、なんとも言えず魅力的なんです。何度も見てしまいます。

エミネムがワグナリアで働くとこうなる 【WORKING'!!】

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ニコニコ動画によるアニメの配信は定番化してきまして、中には未来日記のように、テレビより先行して配信するものもありました。視聴者としては、地域の放送局でやっていない作品も見れるというメリットがありますし、やっぱりコメント付きでアニメを見るのは楽しいです。

その中でもWORKING'!!は安定した面白さで人気を集めていました。この動画は、そのオープニングテーマと世界的なヒップホップミュージシャンであるエミネムの「Without Me」とのマッシュアップです。ラップとアニソンをどう組み合わせるんだ?とまず疑問を持つと思うのですが、組み合わせ方が絶妙です。日本のMAD作者の発想と技術は本当にヤバいレベルに達してますね。

とにかく楽しいマッシュアップで、見るだけで笑顔になってしまいます。エミネムの元の楽曲を知ってたり、最後のところで出てくる映画8 Mileの映像を知ってたらより楽しめると思います。

CBR1000RRとC57 1 貴婦人 【山口県 山口市 島根県 津和野】

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この動画はニコニコの動画アワード2011グランプリ受賞作ですので、知っている人も多いかもしれません。

いわゆる「車載動画」と呼ばれるジャンルの動画で、バイクに乗ったUP主さんが、貴婦人の愛称で親しまれるSL機関車、C57と並走しに行く…という内容です。力強いSLの走りや流れる風景の美しさが曲とマッチして、爽やかな感動を届けてくれます。

音楽に合わせてはじめてのケーキづくり【スイートマジック】

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ニコニコでは、料理動画も人気があります。美味しそうな食べ物は、見ているだけで楽しいですよね。

この動画は、Junkyさんとろんさんのオリジナル楽曲スイートマジックにのせて、UP主さんがケーキを作るというものです。

スイートマジックがお菓子作りをテーマにした楽曲なので、料理動画でありつつ、曲のPVでもあるというような作品になっています。動画編集も凝っていますし、なによりも作っているケーキが美味しそうです!

爆笑するサッカーゲームのバグ集

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ゲームのバグって、ミスと偶然の産物なんですが、なぜかすごく笑えるものがあるんですよね。この動画は、サッカーゲームFIFA12のバグを集めたものです。息するのが苦しいくらい笑えました。

ただプログラマ視点だと、相当に高度な当たり判定とアニメーションをしていないとこういう現象って起こらないですから、笑えると同時に凄いなあと思ってしまいます。

サウンドロゴル 【ココロオドル】

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ニコニコの初期からMAD素材として人気があるココロオドルをCMのサウンドロゴと組み合わせた動画。様々なサウンドロゴが、一個一個の存在感がありながら全体としては曲になっている…という、なんだか料理評論家みたいなコメントになってしまいましたが、そうとしか言いようのない不思議な魅力を持った動画です。

ちなみにこのココロオドルはレコード会社が権利関係に厳しくて、MADをアップロードしても削除されるというパターンが繰り返されていたのですが、権利関係的に問題ない耳コピを作ってしまった人がいて、権利関係の問題が生じることはなくなってます。素晴らしい貢献ですね。

【第6回MMD杯本選】初音ミクPV『ハートブレイカー』

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ハートブレイカーは、メルトワールドイズマインなども収録されているsupercellのファーストアルバムに収録されている曲で、他の元々ニコニコ動画にアップロードされていた曲に劣らない素晴らしい曲です。

この動画は、その曲にMMDでPVを付けたもので、Lat式ミクモデルの可愛らしさと言い、疾走感のある表現と言い、見ていてワクワクするような、正統派のPVになっているのではないかと思います。

VOCALOIDミュージカル】Alice in Musicland【オリジナル曲】

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最後に、2011年、僕が一番繰り返し見た動画は、OSTERさんのこちらの動画でした。VOCALOIDたちにミュージカル仕立ての楽曲を歌わせよう…と考えたとしても、それを実行するには才能と労力が必要だと思います。それを乗り越えて、僕達に与えてくれたOSTERさんには、本当に感謝するしかありません。

不思議の国のアリスに登場する、馴染みのあるキャラクターや、ミュージカル風でストーリーを生かした楽曲や、可愛らしいアニメーションなど…全てが魅力的です。最後のところは何度聞いても感動してしまいます。技術的にも、ミクの追加音声ライブラリappendを全て使っていて、まさにVOCALOIDに歌わせる技術の粋を尽くした動画と言えるのではないかと思います。

もし気に入った方は、PSPのソフトPoject DIVAで作成したこちらのPVも素晴らしいので是非見てみてください。


…というわけで、2011年のおすすめ動画でした。僕たちを楽しませてくれた、全てのUP主さんたちと運営の皆さんに感謝したいと思います。来年も素晴らしい動画に出会えるといいですね!