STORMのBTOでFF14向けPCを組んでみました

物欲というのは不思議なもので、全然欲しいと思わなかったWindowsのデスクトップPCが、最近欲しくなってきました。きっかけはFF14が出るということです。FF11がとてもよくできたゲームであるということを常々聞いていましたので、FF14はこのタイミングでぜひ始めてみたいと思ったのですが、その要求スペックが凄まじいのです。公式ベンチマークの結果から、FF14を快適に遊ぶためには以下のようなスペックのPCが必要ということがわかってきました。

CPU
物理4コアが望ましい。Hyper-Threadingによる論理コアの拡張はあまり効かない。ということで、Core i7Core i5の7XX系が必要ということになる。
メモリ
4GBあれば大丈夫。
ビデオカード
Radeon系が有利。できればHD5850かHD5870が欲しい。

もちろんこれを満たしていなくてもゲームはできるのですが、新しくPCを組むのであれば、できるだけ快適にプレイできる環境にしたいものです。

こういう情報が明らかになってきて、実際にどんなPCを買うのか検討し始めたのが7月初めごろ。そこからさらに情報を集めていくと、ベータテストをやっている人たちの中では、どうやらRadeon系が必ずしも有利とは言えない、ということになっていることがわかりました。公式ベンチマークで動いているプログラムは、どうやら現在動いているものとは大分異なるもののようなのです。

迷ってしまって決められれないところに、7月後半になって、GeForceの新しいGPUであるGTX 460がFF14の推奨GPUになるという発表がありました。GTX 460というGPUは、PC Watchの記事ベンチマーク結果などを見てもかなり素性の良いGPUのようなので、ビデオカードはこれに決めて買ってしまうことにしました。

といっても、GTX 460を搭載したPCは現状ほとんどありません。お店で売っているようなPCは全滅ですし、DELLやHPのBTOでも選択することができません。選択肢としては、マウスコンピュータか、もしくはドスパラなどのショップブランドPCということになります。マウスコンピュータで先に挙げたスペックのPCを買うとだいたい11万円くらいなので、これで良いかなと思っていたのですが、電源が500Wというところが心配になり、かと言ってその上を選択するとランクが上がってしまって+2万円を覚悟しなければならない、ということで、あまり買う気が起こらなくなってしまいました。

そこでいろいろ他のを探すうちに見つけたのが、STORMというBTOのお店です。STORMはBTOというよりはパソコン自作代行というような趣旨のお店で、CPUやグラフィクスカードはもちろん、ケースやマザーボードまでカスタマイズすることができます*1。CPUファンや電源も選択することができて、静音化で気をつけることができるのも嬉しいところ。

上記スペックを満たしつつなるべく静音で、かつ値段も抑えるということから、以下のような構成にしてみました。(一応Storm Power Speedという機体がベースなのですが、ほぼ原型を留めなくなっています。)

ケース:[http
//kakaku.com/item/K0000019019/:title=Cooler Master Sileo 500]:ケースはPCのエクステリアを決めると同時に、冷却と静音化の要でもあります。GTX 460というハイスペックなGPUを積むわけですから、ある程度冷却にも気を使わないといけませんし、かと言ってうるさいPCになってしまうと台無しです。今回は、静音ケースとしては定番のANTEC SOLOと迷ったのですが、前方と後方に12インチのファンがあるということを重視してSileoにしました。
電源:[http
//kakaku.com/item/K0000020936/:title=ENERMAX ECO80+ EES620AWT]:電源はPCの安定性を担保する上で非常に重要なパーツです。また、静音性や電力効率にも関係します。今回は、少し値段は高いのですが、自作では定番のENERMAXにしました。620Wあれば、GTX 460のシングルなら問題なく動作するはずです。
マザーボード:[http
//kakaku.com/item/K0000117679/:title=MSI P55A-G55]:マザーボードはパソコンの機能の大部分を決めてしまうパーツです。定番のASUSにするという手もあったのですが、値段が少し安かったのと、PCI Expressのx8スロットがひとつ空いているということを重視してこちらにしました。ただ後で書きますが、これは少し失敗だったかもしれません。
CPU:[http
//kakaku.com/item/K0000132929/:title=Core i5 760]:本当はCore i7 860か870にしたかったのですが、860と値段の差が5000円近くあったのでこちらにしました。760と860の違いはHyper-Threadingの有無だけなので、今回のスペックは760でも満たせます。
CPUクーラー:[http
//kakaku.com/item/K0000062800/:title=Scythe MUGEN∞2(無限2)リビジョンB SCMG-2100]:あまり目立たないのですが、CPUクーラーも静音のためには重要なパーツです。CPUクーラーの選択肢がここまであるBTOはなかなかないです。今回は静音かつ冷えることで評判のよかった、無限2にしました。背の高いCPUクーラーなので、うまくケースに収まるかどうかが不安点ではあります。(一応スペックを見る限りでは大丈夫そうでしたが…)
メモリ:4GB(2GBx2)
製造元を指定するオプションもあったのですが、今回は値段重視で無指定としました。
ビデオカードGeForce GTX460 1GB
これは要求スペック通りです。ビデオカードの型番まで指定できるとよかったのですが、残念ながら今回はできませんでした。
ストレージ:[http
//kakaku.com/item/K0000067169/:title=HGST HDS721050CLA362 (500GB SATA300 7200)]:これも低発熱・静音で定番のパーツです。本当はSSDにできたらよかったのですが、ゲーム用途だとどのくらいのサイズにしたらよいのかわからなかったのと、値段の関係上、今回は見送りました。

他にDVD Super Multiドライブ、16メディアカードリーダー、Windows 7 Home Premium 64bit DSPなども付けています。値段は送料込みで12万円ちょっとでした。マウスコンピュータで買うより少し高くなってしまいましたが、電源が良いものなので妥当なのではないかと思います。

注文してすぐにメールが来て、一応3営業日出荷可能ということだったのですが、少し遅れて5営業日で出荷ということになりました。BTOといってもほとんど一から組むのと変わらない構成になっているので、遅れたのは仕方ないと思います。というかきちんと対応して仕上げるのはさすがプロだと思います。


こんな感じの箱に入ってきます。PCはさらにケースの箱に入ってました。マザーボード等の箱もそのまま送られてきます。

中身はこんな感じ。CPUクーラーが巨大です。メモリモジュールが完全に隠れているので、メモリを増設するときはクーラーを外さないといけないっぽいです。ケースの下にしいてある黒いものは、静音化のための防音材です。

ケースのカバーにもみっちり防音材が貼ってあります。

ビデオカードGALAXYというメーカーのものでしたが、残念ながらこれはGTX460の中では音が大きい方のカードだったようです。ショップの方も今在庫があるものを使うでしょうし、今回はカードの型番を指定できなかったので仕方ないですね…。

フロントファンは前方下部にあり、そのすぐ後ろにハードディスクのマウンタがあります。ハードディスクをフルに積んでしまうとフロントファンの風を遮ってしまうのはこのケースの弱点ですね。5インチベイは豊富にありますので、マウンタを使って5インチベイの方に積むなどの工夫が必要かもしれません。

前方からはこんな感じです。主張しすぎなくて良いですね。ちなみにディスクドライブはLGのものでした。

説明書や余ったパーツ・ケーブル類はまとめて袋に入れてくれます。これは嬉しいです。

結構どきどきしながら電源を入れたのですが、当然ながら特に問題なく動作しました。自作をやったことがある人ならわかると思うのですが、最初に電源を入れたときにうまく起動するかというのが自作の最大の難関なんですよね。そこをお店できちんと確認してくれるというのは、かなりありがたいです。

ちなみにWindowsエクスペリアンスインデックスは、プロセッサ7.3、メモリ7.5、グラフィック7.4、ゲーム用グラフィックス7.4、ハードディスク5.9でした。この構成のPCとしては妥当な線だと思います。

静音性については、Sileoの二つの12インチファンがそこまで静音ではないのと、やはりビデオカードの音があるので、少し音は聞こえます。ただ通常使用では気になるレベルではないですし、ベンチマーク等を動かしていても、サウンドが鳴っていれば気にならなそうです。

マザーボードのところで少し失敗したかもと書いたのは、MSIマザーボードでCPUファンのアクティブな回転数制御がうまくできなかったからです。説明書にはPCのControl Centerというソフトでやると書いてあるのですが、設定してもファンの回転数が全然変わらない…。仕方ないので、アクティブな回転数制御ではなく、「CPUが50度になるまでは50%で回す、それを超えたら全開」というような設定にしています。ASUSならQ-Fanという仕組みで全自動の制御ができるみたいです。

というわけで、静音性についてはグラフィックスカードとCPUファンの制御という二点で問題が残ってしまったのですが、今後何らかの方法で問題を解決できるかもしれませんし、全体的な出来には満足しています。

STORMのBTOは、「パーツについてはある程度知っているが、組み立てるのはリスクがあるし大変」という人にはかなり良いサービスだと思います。サポートは例えばDELLやHPとは比べるべくもありませんので、自分で問題を解決する覚悟は必要ですが、逆にいうと手を入れやすくて良いのではないでしょうか。

*1:ケースやマザーボードが変わったらそれはもう別物なので、カスタマイズとは言わない気がしますが…